追悼 チック・コリア | kumac's Jazz

追悼 チック・コリア

 チック・コリアが亡くなった。音楽のジャンルの輪郭がぼやけてきている現在、ジャズの本流のミュージシャンが一般的なジャズの音楽家としての認知を受ることが最近はなくなってきている中で、数少ないジャズという言葉と強く結びついた有名なジャズミュージシャンだったのではないでしょうか。例えば、日本で言うところの大友良英はジャズで認知度が上がったわけはではなく、あまちゃんのテーマ曲でブレイクした人です。本来のジャズのフリーインプロビゼーションのミュージシャンとしての評価は、果たしてどれほどかと考えれば、kuma 的に言えば先日お亡くなりになった近藤等則の道程に敬意を払いたくなります。そういう感じで、乱暴な言い方をすれば、チック・コリアは近藤等則がジャンルを超えて尊敬される存在であるような存在であったと思います。・・・・変な書き方ですね。

 

 生演奏を体験したのは2回、2006年の東京JAZZでの上原ひろみとのデュオ演奏。2013年の仙台の東北大学萩ホールでのスタンリー・クラークとのデュオ演奏。こう書くとデュオだけですね。チック・コリアは相手に合わせてさりげなく自己主張をします。相手次第でどんどんと引き出しから宝石のようなピカピカした音を出してくる、絶対相手を圧倒しようとはしない優しさを持っているそんな演奏家だと思いました。萩ホールでの演奏会の日は彼の誕生日で、ステージで奥様がハッピバースデーを唄ってお祝いしている光景が浮かんできました。ご冥福をお祈りいたします。