Jimmy Smith & Wes Mongomery『The Dynamic Duo』 | kumac's Jazz

Jimmy Smith & Wes Mongomery『The Dynamic Duo』

 1966年録音。先日紹介したジミー・スミスの作品『Livin' Up!』と同様に、ジミー・スミスのヴァーヴ時代の作品で、オーケストラをバックとして演奏したもの、そのアレンジも同じくオリバー・ネルソンです。

 しかし、大きく違うことが二つあります。一つは、タイトルに示されているとおりに、この作品は、ジミー・スミスのものではなく、ウエス・モンゴメリーというもう一人の主人公がいること。しして、オリバー・ネルソンのアレンジがまったくもって、ジャズの本道をゆく、ダイナミックでキュートでブルージーなものであることです。当然に、ジミー・スミスとウエス・モンゴメリーのソロを含めた演奏自体も、ジャズっています。だから、ヴァーヴのCTIレーベルへの続く、インストメンタルなムード・ジャズとはなはだ違う景色となっています。

 当然に、kumac はこちらの方が好き、大好きです。オリバー・ネルソンのアレンジは簡単に言うと、彼の代表作『ブルースの真実』を彷彿とさせるものです。さらに言えば、バックのオーケストラのメンバーは最強です。リズム隊は、リチャード・デイビス(b)、グラディ・テイト(ds)の名前があり、ホーンセクションにも、フィル・ウッズ(as)、クラーク・テリー(tp)の名前が見られます。当然、バッキングなどとても歯切れの良い音を聴かせてくれます。

 演奏される曲は、ゴスペル(「Down By The Riverside」)、リズム&ブルース(「Night Train」)、ジミー・スミスのオリジナルのブルース(「James And Wes」)など、ジャジィーで色の濃い曲が多いです。それだけに、演奏はご機嫌です。さらに、どの曲でもジミー・スミスとウエス・モンゴメリーのソロが素晴らしいです。互いに、技というか、どんなご機嫌なフレージングが表現できるか競い合っている感じが、嬉しいです。

 ジミー・スミスとウエス・モンゴメリーとオリバー・ネルソンのトリオ作品と考えて良さそうです。良いものを聴かせていただきました。

ダイナミック・デュオ/ユニバーサル ミュージック

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